現代諸学と仏法
目次
はじめに
序 第一原理考争
1 科学の眼・哲学の眼・宗教の眼
(1)歴史に果たした役割
(2)物理学者の哲学志向
(3)物理的世界観での第一原理
(4)客観性への執著と限界
(5)主観要素の影響
(6)前提は常に問い直される
(7)内観における約束事
2 法身中心は一応の話
(1)認識が先か存在が先か
(2)自覚への勧め・自覚への学び
(3)仏法は反省自覚法――自覚の上での認識論
(4)存在論者が陥り易い執著の穴――法身中心主義
(5)如来秘密(体験)と神通之力(表現)
3 インドの伝統――<分けない>流儀
(1)自覚中心の相補関係、仏法・哲学・科学の相補
(2)真理と法・仏
(覚者)――第一原理
(3)縁起は法の根幹――法は縁起の焦点
(4)信と批判精神――不疑と無疑
(5)実体か非実体か・正論因果――内外相対という事
T 仏法と論理学
1 世法と仏法と空仮中の三諦
(1)仮名(名辞)と存在との自動対応はナンセンス
(2)概念虚妄・分別虚妄・文字は三世諸仏の気命
(3)命題界の違いで論理は分かれる
(4)世俗は<究極の真>ではない
(5)真ではないが使わなければならない
(6)三諦の基本的意味
(7)<待>と<対>との違い――絶待と待絶
(8)円融三諦しかない――破立・遮照・中道――現量・比量・思量
(9)科学的形而上学的存在論の乞食スープ
(
10)反省自覚の道筋――縦型縁起法
2 主語世界と述語世界と反省世界
(1)縁起仮有の主語世界を述語し反省する――その一
(2)縁起仮有の主語世界を述語し反省する――その二
(3)仮(主語)空(反省述語)一如の円融中道
(4)主語・述語と五蘊説
(5)主述分離への終局的な問い
3 三諦論と判断論
(1)論理学は進化する――思惟を反省する学問
(2)繋辞、存在判断・叙述判断・概念
(3)判断は理智作用ではない――判断は意志の行為
(4)空仮中は判断である――概念や・事物の性質・ではない
(5)三諦の空仮中は反省判断の繋辞
(6)無上智慧による脈絡世界での状況叙述
(7)中の実体化と無分別
(8)性は体に内属しない――体その儘が性
(9)三諦の概念化と真徳への転換
(
10)空仮中と有無の二道――本覚真徳の実際
4 哲学の行手を示す判断論
(1)唯識の沿革と基本
(2)著有と五性各別という悪義
(3)八識から出る判断する意志と寂静の九識
(4)無量世に於ける眼根の因縁は――妄念を生む五蘊の心作用
(5)見る識も見られる色も仮和合
(6)心は但是れ名のみなり――無所有不可得
(7)判断における虚妄と真実
(8)判断の経験的下部構造
(9)判断の限界と循環問題
5 様相論理及び因果説
(1)有無の確率論的操作等としての多値へ
(2)何か(状況)・何故か(因果)・如何にあるか(様相)
(3)因果と縁起と空
(4)仏法は二因二果――因果は実体ではない、関係である
(5)縁起因果は無窮因果――根本原因・究極結果は断見
6 帰納・演繹・弁証法
(1)多から一へ(帰)・一から多へ(命)
(2)仏法の演繹的側面・帰納的側面・類推的側面、一念寂照
(3)反省的否定操作のオルガノン
(4)対話における弁証法
(5)己心の自覚にのみ成立する矛盾
(6)妄語か実語か――論理の課題
(7)反対解釈に堕るな――虚妄仮は反省材料
あとがき
U 四句分別という論法
1 四句分別の起源と概観
(1)仏典は四句分別で出来ている
(2)西洋式に合理化した解釈
(3)弁証法こそ四句分別の一特殊形態の様なもの
(4)釈尊も外道も用いた四論
(5)六師の四論の用法は?
(6)倫理的な<中>を考えた人々の国土世間
(7)四句分別の概観
(8)<絶言の四句>の意味
(9)論理性の自覚
2 レンマ(論法)の構造と自覚の展開
(1)三諦(悟り)有っての四句分別(表現)
(2)四句分別と山内得立氏の正論
(3)非有非無(空)から非空非有・亦無亦有(中)の帰結へ
(4)レンマを繋ぐ否定関係
(5)論理学論理との違い――その一
(6)論理学論理との違い――その二
(7)『涅槃経』に就いての理解――その一
(8)『涅槃経』に就いての理解――その二
(9)縦型縁起法の表現形式
(
10)包括的な四句分別と弁証法との対応
3 四句分別と形式論理と非縦非横
(1)矛盾とは何か、なぜか、どのように
(2)矛盾しない<矛盾の眞相>
(3)<矛盾>は良心と智慧との勲章
(4)非合理世界の律法<選択>
(5)形式論理と四句分別は排除し合わない――その一
(6)形式論理と四句分別は排除し合わない――その二
(7)不可説を因縁あるが故に説く
(8)形而上論議は通用しない
(9)四句分別と円融中道
4 因明と四句分別との変遷
(1)竜樹以前と竜樹以後――古因明から新因明へ
(2)古因明は”ボロ”い――仮言三段論法の類推推理
(3)新因明は定言三段論法の演繹法
(4)解脱用の四句分別と『法華経』
(5)『法華経』の特殊性――大綱と網目
(6)爾前の経は『法華経』を離れず
(7)一代説法本来一経
(8)序・正・流通・三段の脈絡
(9)天台の全面受用と日蓮大聖人
(
10)転迷開悟は否定(反省)から肯定(自覚)へ
(
11)無分別を分別表現するオルガノン
5 『中論』の中の四句分別
(1)不生不滅か不滅不生か
(2)一に待するものは二か多か
(3)同一律の否定・自己同一の否定――不一不異
(4)無常→縁起→無自性→空→中の構造
(5)竜樹の武器・第三レンマ<空>
(6)縁起法(諸法・事象)は無自性(無実体・無本質)だ
(7)言説の仮名と化他の力用
(8)<縁起→無自性>は世法、<→空>が仏法――縁起・無自性・空
6 中道論――慧文・南岳・天台・伝教
(1)中道に待する相待の仮説――<空>
(2)二境智即一の智法を<中>と言う
(3)空即中の根拠を追えば
(4)三諦を暗示する三法印
(5)真理論としての如実法――法の無常と無性
(6)有無二道本覚真徳とは!?
7 客観理論の範囲内での事例
(1)四句レンマの部分的事例
(2)時間と空間の理解
(3)特殊相対論・一般相対論の場合
(4)出来事としての有無と素粒子の振舞
(5)宇宙の内外・表裏
8 四句分別の総括
(1)理論が脱線していないか
(2)使用と形式――原型と使用・その応用型
(3)存在判断から反省判断へ――虚妄と建立・その異同
(4)事と理と百非洞かに遣る中道
(5)止観明静前代未聞――聞香討根
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